車間距離不保持とは?
車間距離不保持とは、十分な車間距離を取らずに車両を運転することです。
道路交通法には、以下のように定められています。
(車間距離の保持)
第二十六条 車両等は、同一の進路を進行している他の車両等の直後を進行するときは、その直前の車両等が急に停止したときにおいてもこれに追突するのを避けることができるため必要な距離を、これから保たなければならない。道路交通法 第二十六条
具体的に、何メートルの車間距離が必要とは定められている訳ではありません。
というのも、時速何キロで走行しているのか、路面の状況がどうなっているのかによって、停止距離が異なってくるからでです。
当然、スピードが速かったり、路面が滑りやすいと停止距離は伸びるため車間距離を長めに取る必要がありますし、スピードが遅かったり、路面が乾燥していれば車間距離が短くてもすぐに止まることができます。
※詳しくは『ブレーキを踏んでから自動車が停止するまでの制動距離は?』をチェックしてみてください。
例えば、アスファルトが乾燥しており、摩擦係数が高い道路で時速40キロで走行している場合の停止距離は約17メートルですので、それぐらいの距離は必要です。
また同じ条件で、高速道路で時速100キロで走行している場合の停止距離は約77メートルですので、やはり、それぐらいの車間距離は最低でも取った方がいいということです。
これらはアスファルトが乾燥している時の車間距離ですので、雨で道路が濡れていたり、路面が凍結している場合では、もっと車間距離を取る必要があります。
要は前の車両が急ブレーキを踏んでも、ぶつからない距離を保って走行すればいいのです。
ちなみに、平成28年に車間距離不保持の違反で警察に検挙された人数は7625人で、高速道路だけで6690人でした。
この6690人という高速道路で検挙された人数は、最高速度違反(403,966人)、車両通行帯違反(76,221人)に次いで、第3位でした。
【参考】内閣府 交通指導取締りの状況
車間距離不保持の違反点数
違反行為の種類 | 点数 |
高速自動車国道等車間距離不保持 | 2点 |
車間距離不保持 | 1点 |
車間距離不保持の違反点数は、上記の通りです。
高速自動車国道や自動車専用道路では違反点数は2点で、一般道では1点です。
この高速自動車国道等車間距離不保持というのは、平成21年の道路交通法改正によって新しくできた違反行為の種類です。
特に高速道路において、車間距離の罰則を引き上げたということです。
車間距離不保持の反則金(罰金)
違反行為の種類 | 反則金 |
高速自動車国道等車間距離不保持 | 1万2千円(大型車)、9千円(普通車)、7千円(二輪車)、6千円(小型特殊車)、6千円(原付車) |
車間距離不保持 | 7千円(大型車)、6千円(普通車)、6千円(二輪車)、5千円(小型特殊車)、5千円(原付車) |
車間距離不保持の反則金は、上記の通りです。
もしこの反則金を支払わなかった場合、高速自動車国道等車間距離不保持の場合、3月以下の懲役または5万円以下の罰金、車間距離不保持の場合、5万円以下の罰金を科せられる可能性があります。