通行区分違反と指定通行区分違反の違い
通行区分違反
通行区分違反は、道路交通法第十七条に違反した場合です。
簡単に言えば、車両の通行が区分されている道路では、その区分に応じて走らないと違反になるということです。
道路交通法第十七条を見ると、以下のように定められています。
(通行区分)
第一七条 車両は、歩道又は路側帯(以下この条において「歩道等」という。)と車道の区別のある道路においては、車道を通行しなければならない。ただし、道路外の施設又は場所に出入するためやむを得ない場合において歩道等を横断するとき、又は第四十七条第三項若しくは第四十八条の規定により歩道等で停車し、若しくは駐車するため必要な限度において歩道等を通行するときは、この限りでない。2 前項ただし書の場合において、車両は、歩道等に入る直前で一時停止し、かつ、歩行者の通行を妨げないようにしなければならない。
3 二輪又は三輪の自転車(側車付きのもの及び他の車両を牽引しているものを除く。)以外の車両は、自転車道を通行してはならない。ただし、道路外の施設又は場所に出入するためやむを得ないときは、自転車道を横断することができる。
4 車両は、道路(歩道等と車道の区別のある道路においては、車道。以下第九節の二までにおいて同じ。)の中央(軌道が道路の側端に寄つて設けられている場合においては当該道路の軌道敷を除いた部分の中央とし、道路標識等による中央線が設けられているときはその中央線の設けられた道路の部分を中央とする。以下同じ。)から左の部分(以下「左側部分」という。)を通行しなければならない。
5 車両は、次の各号に掲げる場合においては、前項の規定にかかわらず、道路の中央から右の部分(以下「右側部分」という。)にその全部又は一部をはみ出して通行することができる。この場合において、車両は、第一号に掲げる場合を除き、そのはみ出し方ができるだけ少なくなるようにしなければならない。
一 当該道路が一方通行(道路における車両の通行につき一定の方向にする通行が禁止されていることをいう。以下同じ。)となつているとき。
二 当該道路の左側部分の幅員が当該車両の通行のため十分なものでないとき。
三 当該車両が道路の損壊、道路工事その他の障害のため当該道路の左側部分を通行することができないとき。
四 当該道路の左側部分の幅員が六メートルに満たない道路において、他の車両を追い越そうとするとき(当該道路の右側部分を見とおすことができ、かつ、反対の方向からの交通を妨げるおそれがない場合に限るものとし、道路標識等により追越しのため右側部分にはみ出して通行することが禁止されている場合を除く。)。
五 勾配の急な道路のまがりかど附近について、道路標識等により通行の方法が指定されている場合において、当該車両が当該指定に従い通行するとき。6 車両は、安全地帯又は道路標識等により車両の通行の用に供しない部分であることが表示されているその他の道路の部分に入つてはならない。
(罰則 第一項から第四項まで及び第六項については第百十九条第一項第二号の二)出典:道路交通法第十七条
よく見るのが、バイクが歩道を走っている光景です。
これは、典型的な通行区分違反です。
このように、道路交通法で走ることが禁止されている道路を走行した場合、通行区分違反として警察に捕まります。
指定通行区分違反
指定通行区分違反は、道路交通法第三十五条に違反した場合です。
簡単に言えば、道路標識等により交差点で進行する方向に関する通行の区分が指定されている時、指示されている方向以外に進む違反です。
道路交通法第三十五条を見ると、以下のように定められています。
(指定通行区分)
第三五条 車両(軽車両及び右折につき原動機付自転車が前条第五項本文の規定によることとされる交差点において左折又は右折をする原動機付自転車を除く。)は、車両通行帯の設けられた道路において、道路標識等により交差点で進行する方向に関する通行の区分が指定されているときは、前条第一項、第二項及び第四項の規定にかかわらず、当該通行の区分に従い当該車両通行帯を通行しなければならない。ただし、第四十条の規定に従うため、又は道路の損壊、道路工事その他の障害のためやむを得ないときは、この限りでない。2 前条第六項の規定は、車両が前項の通行の区分に従い通行するため進路を変更しようとして手又は方向指示器による合図をした場合について準用する。
(罰則 第一項については第百二十条第一項第三号、同条第二項 第二項については第百二十条第一項第二号)出典:道路交通法第三十五条
よく見かけるのが、交差点で右、または左に曲がるため、もしくは直進するため、矢印で通行方向が指定されているレーンを走っており、道を間違えたと思い、指定された進行方向に従わないで進んでしまうことです。
車両は交差点で進行方向が指定されている時は、むやみやたらに進行方向を変更してはいけません。
通行区分違反と指定通行区分違反の点数
違反行為の種類 | 点数 |
通行区分違反 | 2点 |
指定通行区分違反 | 1点 |
通行区分違反の点数は2点で、指定通行区分違反の点数は1点です。
通行区分違反の方が危険なケースが多いですので、やはり、点数も高いです。
【合わせて知りたい!】免停とは?違反点数と停止期間!前歴なしでも6点で停止処分
通行区分違反と指定通行区分違反の反則金(罰金)
違反行為の種類 | 反則金 |
通行区分違反 | 1万2千円(大型車)、9千円(普通車)、7千円(二輪車)、6千円(小型特殊車)、6千円(原付車) |
指定通行区分違反 | 7千円(大型車)、6千円(普通車)、6千円(二輪車)、5千円(小型特殊車)、5千円(原付車) |
通行区分違反も、指定通行区分違反も、大型車の方が高い反則金です。
反則金を納付しなかった場合、最終的には刑事手続き等へ移行し、起訴されると罰金や懲役刑などになってしまう可能性もあります。
なるべく納付書を渡された後、8日以内に支払いを済ませるようにしましょう。