横断歩道では歩行者優先
横断歩道では歩行者が優先ですので、車両等は横断歩道を渡ろうとしている人や自転車がいた場合、停止できるスピードで運転し、一時停止する義務があります。
道路交通法第三八条では、以下のように定められています。
(横断歩道等における歩行者等の優先)
第三八条 車両等は、横断歩道又は自転車横断帯(以下この条において「横断歩道等」という。)に接近する場合には、当該横断歩道等を通過する際に当該横断歩道等によりその進路の前方を横断しようとする歩行者又は自転車(以下この条において「歩行者等」という。)がないことが明らかな場合を除き、当該横断歩道等の直前(道路標識等による停止線が設けられているときは、その停止線の直前。以下この項において同じ。)で停止することができるような速度で進行しなければならない。この場合において、横断歩道等によりその進路の前方を横断し、又は横断しようとする歩行者等があるときは、当該横断歩道等の直前で一時停止し、かつ、その通行を妨げないようにしなければならない。2 車両等は、横断歩道等(当該車両等が通過する際に信号機の表示する信号又は警察官等の手信号等により当該横断歩道等による歩行者等の横断が禁止されているものを除く。次項において同じ。)又はその手前の直前で停止している車両等がある場合において、当該停止している車両等の側方を通過してその前方に出ようとするときは、その前方に出る前に一時停止しなければならない。
出典:道路交通法第三八条
しかしながら、信号機のない横断歩道では、歩行者が渡ろうとしていても、一時停止する車を見る方が少ない気もします。
JAF(一般社団法人日本自動車連盟)が2017年8月15日(火)~9月14日(木)の間に調査した結果では、10,251台中、一時停止した車は867台で、全体の8.5%という結果だったようです。
ドライバーが一時停止しない理由は、以下の理由からのようです。
①自車が停止しても対向車が停止せず危ないから:44.9%
②後続から車がきておらず、自車が通り過ぎれば歩行者は渡れると思うから:41.1%
③横断歩道に歩行者がいても渡るかどうか判らないから:38.4%
④一時停止した際に後続車から追突されそうになる(追突されたことがある)から:33.5%
⑤横断歩道に歩行者がいても譲られることがあるから:19.9%※上位5つの理由を掲載。また、複数回答のため、合計は100%を超えます。
確かに、①は対向車の車も気を付けなければ、歩行者が危険な目に遭ってしまう可能性があります。
ですが、④に関しては、そもそも横断歩道を渡ろうとしている歩行者や自転車がいる場合、すぐに停止できる速度で走らなければならないので、その速度を守ってさえいれば後続車から追突される危険性は低いです。
②はその通りですが、歩行者優先なので、車は一時停止する義務があります。
③は、横断歩道を渡るかわからない場合、すぐに止まれる速度では走行する義務があります。
⑤は、歩行者に譲られても、車の方が逆に譲り返す義務があります。
もしも横断歩道で歩行者がいるにもかかわらず、一時停止しなかった場合、交通違反となり、違反点数と反則金の行政処分が科せられる可能性があります。
横断歩行者等妨害等の違反点数
違反行為の種類 | 違反点数 |
横断歩行者等妨害等 | 2点 |
横断歩行者等妨害等の違反点数は上記の通り2点です。
9割以上の運転者が守っていないにもかかわらず、違反点数は2点と決して低くはありません。
ゴールド免許で前歴がない運転者でも6点加点されれば免停ですので、横断歩道にパトカーや白バイが停まっていれば、すぐに達してしまいます。
【関連】免停とは?違反点数と停止期間!前歴なしでも6点で停止処分
もちろん、次の免許更新ではゴールド免許ではなくなってしまいますので、保険の割引もなくなってしまいます。
横断歩行者等妨害等の反則金
違反行為の種類 | 反則金 |
横断歩行者等妨害等 | 1万2千円(大型車)、9千円(普通車)、7千円(二輪車)、6千円(小型特殊車)、6千円(原付車) |
横断歩行者等妨害等の反則金は上記の通りです。
もしもこの反則金を期限内に支払ないと刑事処分となり、3ヶ月以下の懲役又は5万円以下の罰金が科せられる可能性があります。