飲酒運転とは
飲酒運転とは、お酒(ビール、ワイン、ウィスキー、テキーラ、ジン、ウォッカ、ブランデー日本酒、焼酎、泡盛等)やアルコールを含む飲食物(栄養ドリンク、ウィスキーボンボン等)を食べたり、飲んだりした後に自動車やバイクなどの車両を運転することです。
この飲酒運転には、酒酔い運転と酒気帯び運転の2種類があります。
酒酔い運転とは、道路交通法百十七条の二第一号で以下のように書かれています。
第六十五条(酒気帯び運転等の禁止)第一項の規定に違反して車両等を運転した者で、その運転をした場合において酒に酔つた状態(アルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態をいう。以下同じ。)にあつたもの
出典:道路交通法百十七条の二第一号
これはどういうことかと言いますと、血中アルコール濃度の量には関係なく、客観的な検査や調査を通して酔っているかどうか判断するということです。
例えば、直線上を歩かせてふらつきがないかの検査をしたり、視覚や目の動き、運動・感覚機能が正常か、判断・認知能力の低下などはないかなどを調査します。
直立状態が保てなかったり、ろれつが回らなかったり、目がうつろだったり、酒臭さが強烈だったりなどの総合的な判断から酒酔い運転と処理されます。
酒気帯び運転とは、道路交通法百十七条の二の二第三号で以下のように書かれています。
三 第六十五条(酒気帯び運転等の禁止)第一項の規定に違反して車両等(軽車両を除く。次号において同じ。)を運転した者で、その運転をした場合において身体に政令で定める程度以上にアルコールを保有する状態にあつたもの
出典:道路交通法百十七条の二の二第三号
そして、道路交通法施行令四十四条の三ではアルコールの程度に関して書かれています。
第44条の3 法第117条の2の2第3号の政令で定める身体に保有するアルコールの程度は、血液1ミリリットルにつき0.3ミリグラム又は呼気1リットルにつき0.15ミリグラムとする。
出典:道路交通法施行令四十四条の三
つまり、酒気帯び運転とは血中アルコール濃度の量によって決まるということです。
通常の検査では、呼気1リットル中のアルコール濃度を調べます。
血液採取は、交通事故などで呼気検査ができないケースや呼気検査を拒否している人に対してするものですので、基本的には考える必要はありません。
酒酔い運転・酒気帯び運転の違反点数
違反行為の種類 | 点数 |
酒酔い運転 | 35点 |
酒気帯び運転 | 25点(呼気1リットル当たりのアルコール量が0.25mg以上)、13点(呼気1リットル当たりのアルコール量が0.15mg以上0.25mg未満) |
酒酔い運転と酒気帯び運転の違反点数は上記の通りです。
酒酔い運転は、交通違反の中でかなり高い部類に入る点数の35点です。
これは、麻薬等運転と同点数です。
酒気帯び運転は、呼気1リットル中のアルコール濃度によって点数が変わります。
行政処分前歴がなくても、13点(呼気1リットル当たりのアルコール量が0.15mg以上0.25mg未満)を除いて、一発で免許取消になる点数です。
※詳しくは「免停とは?違反点数と停止期間!前歴なしでも6点で停止処分」
それだけ、飲酒運転はやってはいけない違法行為なのです。
酒酔い運転・酒気帯び運転等の罰金・罰則
【ドライバーに対する罰金・罰則】
違反行為の種類 | 罰金・罰則 |
酒酔い運転 | 5年以下の懲役又は100万円以下の罰金 |
酒気帯び運転 | 3年以下の懲役又は50万円以下の罰金 |
過失運転致死傷罪 | 7年以下の懲役又は禁錮又は100万円以下の罰金 |
危険運転致死傷罪 | 15年以下の懲役(被害者が負傷のケース)、1年以上20年以下の有期懲役(被害者が死亡のケース) |
逃げ得を防ぐ処罰 | 12年以下の懲役 |
酒酔い運転・酒気帯び運転の罰金・罰則は上記の通りです。
また、飲酒運転をして、さらに人身事故を起こしてしまった場合、過失運転致死傷罪や危険運転致死罪に問われます。
逃げ得を防ぐ処罰規定もあり、これは飲酒運転の発覚から逃れるため、その場でさらにアルコールを摂取したり、その場から離れてアルコール濃度を減らす行為のことです。
それと、飲酒運転は、本人だけの罪ではありません。
車両提供者や酒類の提供者、同乗者にも処罰する法律があります。
【車両提供者に対する罰金・罰則】
違反行為の種類 | 罰金・罰則 |
ドライバーが酒酔い運転 | 5年以下の懲役又は100万円以下の罰金 |
ドライバーが酒気帯び運転 | 3年以下の懲役又は50万円以下の罰金 |
【酒類の提供者・車両の同乗者に対する罰金・罰則】
違反行為の種類 | 罰金・罰則 |
ドライバーが酒酔い運転 | 3年以下の懲役又は50万円以下の罰金 |
ドライバーが酒気帯び運転 | 2年以下の懲役又は30万円以下の罰金 |
道路交通法第六十五条第二項には以下のように書かれています。
何人も、酒気を帯びている者で、前項の規定に違反して車両等を運転することとなるおそれがあるものに対し、車両等を提供してはならない。
出典:道路交通法第六十五条第二項
そして、道路交通法第六十五条第三項では、酒類の提供に関して書かれています。
何人も、第一項の規定に違反して車両等を運転することとなるおそれがある者に対し、酒類を提供し、又は飲酒をすすめてはならない。
出典:道路交通法第六十五条第三項
それと、道路交通法第六十五条第四項では、同乗に関して書かれています。
何人も、車両(トロリーバス及び道路運送法第二条第三項に規定する旅客自動車運送事業(以下単に「旅客自動車運送事業」という。)の用に供する自動車で当該業務に従事中のものその他の政令で定める自動車を除く。以下この項、第117条の2の2第6号及び第117条の3の2第3号において同じ。)の運転者が酒気を帯びていることを知りながら、当該運転者に対し、当該車両を運送して自己を運送することを要求し、又は依頼して、当該運転者が第1項の規定に違反して運転する車両に同乗してはならない。
出典:道路交通法第六十五条第四項
法律で定められているから、飲酒運転を容認しないのではなく、飲酒運転をすることで被害者が出てしまうのが問題です。
飲酒運転撲滅スローガンでもありますが、「飲んだら乗るな、飲むなら乗るな」を周りにも徹底することが大切です。