仮免許とは
仮免許とは、仮運転免許の略で、自動車の免許証を取得しようとしている人が路上で練習するために必須な運転免許のことです。
道路交通法では、以下のように定められています。
(仮免許)
第八七条 大型自動車、中型自動車又は普通自動車を当該自動車を運転することができる第一種免許又は第二種免許を受けないで練習のため又は第九十七条第一項第二号に掲げる事項について行う運転免許試験若しくは第九十九条第一項に規定する指定自動車教習所における自動車の運転に関する技能についての技能検定(次項において「試験等」という。)において運転しようとする者は、その運転しようとする自動車が大型自動車であるときは大型仮免許を、中型自動車であるときは中型仮免許を、普通自動車であるときは普通仮免許を受けなければならない。2 大型仮免許、中型自動車又は普通自動車を、中型仮免許を受けた者は中型自動車を受けた者は大型自動車又は普通自動車を、普通仮免許を受けた者は普通自動車を、練習のため又は試験等において運転することができる。この場合において、仮免許を受けた者は、練習のため自動車を運転しようとするときは、その運転者席の横の乗車装置に、当該自動車を運転することができる第一種免許を受けている者(免許の効力が停止されている者を除く。)で当該免許を受けていた期間(当該免許の効力が停止されていた期間を除く。)が通算して三年以上のもの、当該自動車を運転することができる第二種免許を受けている者(免許の効力が停止されている者を除く。)その他政令で定める者を同乗させ、かつ、その指導の下に、当該自動車を運転しなければならない。
3 仮免許を受けた者は、練習のため自動車を運転しようとするときは、内閣府令で定めるところにより当該自動車の前面及び後面に内閣府令で定める様式の標識を付けて当該自動車を運転しなければならない。
4 仮免許を受けた者は、第二項の規定にかかわらず、旅客自動車運送事業に係る旅客を運送する目的で旅客自動車を運転することはできない。
5 仮免許を受けた者は、第二項の規定にかかわらず、代行運転普通自動車を運転することはできない。
6 仮免許の有効期間は、当該仮免許に係る第九十七条第一項第一号に掲げる事項について行う運転免許試験(第九十条及び第九十二条の二において「適性試験」という。)を受けた日から起算して六月とする。ただし、当該期間が満了するまでの間に、大型仮免許を受けた者が大型免許若しくは大型第二種免許を受け、中型仮免許を受けた者が大型自動車若しくは中型自動車を運転することができる第一種免許若しくは第二種免許を受け、又は普通仮免許を受けた者が大型自動車、中型自動車若しくは普通自動車を運転することができる第一種免許若しくは第二種免許を受けたときは、当該仮免許は、その効力を失う。
道路交通法 第八七条
仮免許で路上を運転するためには、運転目的が練習であること(運送目的や代行運転ではないこと)、定められた標識を設置すること、一定の条件をクリアしている者(指定自動車教習所指導員など)を同乗させ、かつその指導の下に自動車を運転しなければならいことが定められています。
ここで注目したいのは、一定の条件をクリアしている同乗者の指導の下、自動車を運転する必要があるということです。
そのように道路交通法で定められているということは、もし仮免許で路上教習中に教習車で交通事故を起こした場合、責任は運転者にあるのか、それとも指導をしている教習所の教官になるのか、どちらなのでしょうか?
仮免許で路上教習中に教習車で交通事故!誰の責任?
結論から申し上げますと、仮免許で路上教習中に教習車で交通事故を起こしてしまった場合、第一義的な責任は運転者にあります。
ですので、被害者に対する損害賠償責任はもちろん、仮免許の取消のような行政処分、反則金、罰金、違反点数も運転者本人に科せられます。
その理由は、仮免許は道路交通法で正式に認められた免許証ですので、責任の所在に関しては本免許と同じように扱われるのです。
ただし、教習所の教官に責任がないと言い切れないケースもあります。
それは、例えば教習所の教官が居眠りをしていたり、スマホをいじって運転者の指導を怠っていたりしたケースです。
そのようなケースであれば、教官に過失があると認められ、債務不履行責任で、被害者への不法行為責任が発生する可能性が高いです。
また教官が座っている助手席には、フットブレーキが備わっている訳ですから、そのフットブレーキが使えた状況で交通事故を起こしてしまったのであれば、やはり、教官の責任も出てくる訳です。
しかしながら、そのようなケースでない場合、仮免許で路上教習中に教習車で交通事故を起こした場合の第一義的な責任は誰なのかという問いに対しては、運転者本人となることが多いです。
だからと言って、必要以上に仮免許での路上運転を怖れる必要はありません。
指導員の指示に従って、安全運転に努めましょう。